投資できないのは元本が減るか不安だからです

結論

S&P 500は過去に何度も大幅急落を経験していますが、配当再投資を含めて考えると平均3年程度で回復しており、長期投資家にとって「我慢して持ち続ける」ことの重要性を示しています。

S&P 500は右肩あがりです

S&P 500 主な急落と回復期間

ブラックマンデー(1987)
1987年8月~11月
約34%
2年(1989年1月に元の高値回復)
1年10か月
ITバブル崩壊
2000年3月~2002年10月
約49%
5年8か月(2007年5月に回復)
4年9か月
リーマン・ショック(世界金融危機)
2007年10月~2009年3月
約57%
5年5か月(2013年3月に回復)
4年2か月
欧州債務危機
2010年4月~7月
約16%
5か月
4か月
中国ショック/原油安(2015-2016)
2015年5月~2016年2月
約15%
1年1か月
11か月
新型コロナショック(2020)
2020年2月~4月
約34%
5か月(2020年8月に回復)
4か月
インフレ・利上げショック(2022)
2022年1月~10月
約25%
6か月(2023年1月に回復)
5か月

理由

株式市場の急落は景気循環や金融危機により定期的に発生しますが、経済の根本的成長力と配当再投資による複利効果により、時間をかければ必ず回復してきた歴史があります。特に配当再投資は下落時に「より多くの株数を安く購入できる」ため、回復を早める効果があります。

下落と回復の具体例

主要な急落事例と回復期間

最も深刻だった事例:

  • リーマン・ショック(2007-2009)
    • 下落率:約57%
    • 株価ベース回復期間:5年5か月
    • 配当再投資含む:4年2か月(1年3か月短縮!)

最も回復が早かった事例:

  • コロナショック(2020)
    • 下落率:約34%
    • 株価ベース回復期間:わずか5か月
    • 配当再投資含む:4か月

その他の主要事例:

  • ブラックマンデー(1987):34%下落→2年で回復
  • ITバブル崩壊(2000-2002):49%下落→5年8か月で回復
  • インフレショック(2022):25%下落→6か月で回復

配当再投資の威力

全ての事例において、配当再投資を行った場合の回復期間は4か月~1年3か月短縮されています。これは下落時に配当金でより多くの株数を安価で購入できるためです。

投資の世界に現金資産を預けましょう

過去100年間の分析では、20%以上の下落後の平均回復期間は株価ベースで約4年、配当再投資含むで約3年です。歴史が教える最大の教訓は「急落は必ず起こるが、必ず回復する」ということ。長期投資家にとって重要なのは、売らずに持ち続け、可能であれば配当再投資を活用することです。


💡 わかりやすい例え 株式市場の急落と回復は「嵐と晴れ間」のようなもの。嵐(急落)は突然やってきて激しいですが、必ず晴れ間(回復)が訪れます。そして、雨(配当)を貯めておいた人は、晴れた時により豊かな収穫を得られるのです。

配当再投資含む

「配当再投資含む」とは、株式投資で受け取った配当金を現金として取らず、自動的に同じ株式を買い増しする前提で計算された投資リターンのことです。

複利効果

この概念が重要な理由は、複利効果により長期的に圧倒的な差を生むからです。配当金で追加購入した株式がさらに配当を生み、その配当でまた株式を購入する「雪だるま式」の成長が起こります。

複利効果の具体例

数値で見る驚異的な差

S&P 500の過去90年間(1930-2020年)での比較:

  • 株価上昇のみ:1ドル→約90ドル(年率5.1%)
  • 配当再投資含む:1ドル→約11,500ドル(年率9.9%)

実に100倍以上の差!

身近な例で説明

100万円でS&P 500 ETFを購入し、年3万円の配当を受け取る場合:

パターン①(現金受取り)

  • 配当3万円は口座に現金として蓄積
  • 翌年も同じ3万円の配当

パターン②(再投資)

  • 3万円で自動的に同じETFを追加購入
  • 翌年は「より多くの株数」で配当額も増加
  • この循環が続き、資産が加速度的に成長

配当再投資のまとめ

配当再投資は投資の**「真のリターン」**を示す指標です。特に20年・30年といった長期投資では、配当再投資の有無で資産形成に天と地ほどの差が生まれます。長期投資を考える際は、必ず「配当再投資含む」の数値を参考にしましょう。


💡 わかりやすい例え 果樹園で考えてみてください。収穫した果実を:

  • 全て食べる(現金受取り) vs
  • 種を植えて新しい木を育てる(再投資)

20年後、後者は一面の果樹園になっているでしょう。これが配当再投資の威力です。

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